☆☆  有機農業・低農薬栽培の奮闘日記  ☆☆
 田植え1ヶ月前の4月中旬、 苗床育成の準備に掛かります。籾種を4日程水に浸し、発芽抑制を行い、30cmx70cm程の苗箱に種まきを行います。
手前の青い箱に籾種、奥の青い箱には覆土をいれます。ローラーハンドルを回すと苗箱が順次送られて種まきができますが、人手が最低3人必要となります。
零細農家では人手不足! よって自動車のワイパーモーターを改造して自動にてローラーが送れるよう小改修!。2スピードコントロールが出来大変助かっています。
 手前の白い箱が苗箱です。養生用の土を2cm程盛りますが、重量数キロの重さになり200箱程度を移動させると大変な重量物となります。ここ数年は軽量マットを使っています。
水を十分染み込ませてこの上に籾種を蒔きます。 モーターのスイッチを投入すると、機械を動かしているのか、機械に動かされているのかわかりません! 空箱のセット、種&表土の補給・蒔き終えた箱の移動 てんてこ舞になってしまいます。 
 種蒔きが終わると畑に並べ、小さなビニール温室を作ります。苗箱に十分の補水がないとムラな発芽となってしまいます。ビニールで覆う前にもう一度十分な水分補給を致し、1週間程暖かい温室生活を送ると、緑の優しい発芽に出会えます。
発芽後はたくさんの水を要求しますので、箱の下にビニールを敷いてプール状態にし、補給した水が下の地面に抜けないようにしました。これで少しは楽になったかな??
 1週間もすると 数cmの苗になります。天候の良い日にはビニールの覆いを外して補水作業。きれいに発芽すると気持ちの良い新緑が目を和ましてくれます。 2週間程経過すればビニールの覆いを外し、太陽の光を一杯浴びさせてしっかりした苗にします。 15cm〜20cmまでに成長させ田植えを待つばかりです。
 3月中頃、お米の元肥となる有機肥料の散布をします。近所にある有機肥料施設から4ton程購入します。隔年の耕作になりますのでこの程度の肥料で十分です。(草刈を数回行いますがこれも肥料として利用する為)
1haの水田に肥料を蒔いた後、トラクターで耕作を行います。
 4月中ごろになると近くの森に預けてある椎茸の発芽時期になります。木材はクヌギ・コナラを使いますが、コナラはこの地区ではあまり在りません。薄皮と呼ばれるクヌギを使います。椎茸菌を打ち込んで1年後から出始めます。5年程度で原木がボロボロになり耐用年数となります。春と秋の2回に発芽します。多く採れますので乾燥椎茸にして保存。夏場の素麺汁のダシに最高!
 上が草退治の為3回程耕した田。下は水を張った水田。大きな川が無くここまで水を貯めるのが大変!昔も今も程度こそ変りましたが水に纏わるトラブル 一杯です!。水を得た水田はこの後2〜3回の代かき(土を細かくして平らにする)を行い いよいよ田植えを迎えます。

我が家では田植え前にヒエ退治の為、残念ながら除草剤を使っています。以前除草剤なしに挑戦しましたが、夏の暑い頃水田一面のヒエ水田!! カマ片手にヒエ退治に臨みましたが日射病寸前! 声がかすれて・・・救急患者寸前 それ以来少しだけ薬の力を借りてます!
初期除草を除けば以後の生育段階で農薬を使わなくても美味しいお米が作れる段階まで来ました。
田植え前の水田に真鴨夫婦のお客さんです。ここ数年訪れるようになりました。世代交代しながらも訪れて暮れるのが楽しみです!
 5月中下旬 いよいよ田植え開始しです。10a(300坪)30分程で田植えが終えれます。07年に長年使ってきました田植え機を更新しました。秋田→青森→船旅を経て名古屋→陸送で我が家 『彦坂』 まで遠路長旅で来てくれました。先方のご好意により大変お値打ちな価格で譲渡して頂き感謝しております。隔年の耕作を余儀なくされていますので(休耕対策の為)、なかなか真っ直ぐに田植えが出来ません。慣れたころには田植え終了! 何時までたっても初心者運転手。
紆余曲折の田植え後! 遠くの目標地点が定まらず! 直進にはGPS誘導が必要になるかな??
 田植え1ヶ月後(左) 品種は『初霜』を栽培しています。岐阜では寿司米として人気のある品種です。稲は背丈が高くて秋の収穫時期になると立派な容姿になります。右は8月初旬の水田風景。この時期になると腰の高さ程まで成長します。太陽の恵みを一杯受けて田植え後は、日に日に成長します。 
 以前は合い鴨を入れて無農薬栽培を行っておりました。確か岐阜では最初の挑戦と記憶していますが! 自宅のウコッケイに孵化してもらい、10aに15羽ほど入れていました。しかし犬を田舎に捨てるふとどき者がおり、犬の野犬化が進み大事な鴨を殺される事件が多発しました。水田(2ヶ月経過)は犬に踏み荒らされ、鴨は咬み殺され それは無残な姿に成っておりました。
 8月下旬に出穂し10月初めに稲刈りをします。出穂頃には籾の中が豆乳の様な乳白で満たされます。これがお米となりますが、この時期に害虫なども多く飛来します。カメ虫などが大量発生すると黒い斑点がついた米となってしまいます。田を眺めながら害虫退治が必要となります。木サク液などで対応していますが生皮な百姓の為これ以外の対策は詳しくありません!。
 病害虫もさることながら、イノシシ対策も大変な事項! 9月中頃から美味しくなった新米を目当てに夜間徘徊のイノシシには手こずります。廃品利用の太陽電池パネル・バッテリーと自動車のイングニッションコイルを利用しての電気柵対策。 これが今の所一番のイノシシ退治機かな?
一度も田を荒らされることなく安堵しております。
 隔年の耕作制限がありますので休耕田の維持管理は大変です。かえって稲作をしているほうが草管理は楽なくらいです。稲がないと日陰になるものがなく無制限に雑草が繁殖します。小型エンジンでの草刈りでは腰の蝶番が壊れてしまいます。自分の体を守る意味もあって乗用草刈機を購入しました。田んぼの中でのゴーカートレースです。椅子の下にヘリコプターの羽根のような刃があり、これで草を滅多切りします。
 さあ自然に感謝しての稲刈り一大イベントです。中型のコンバインで一揆に刈り取ります。昔の手作業と比べると柔な人間でも百姓が可能となりました。脱穀した籾はホースを使ってトラックのストッカーへ転送。少し前まではコンバインの袋に詰めてトラックへ人力移動していましたが、これが重いの重いの!! 腰砕け・・・・ 思い余って中古大型機を導入 経費増大 薄利大幅減少
 この後乾燥させ、やっと食せる状態に・・・。玄米にした後、白米への精米作業が必要となりますが! 我が家では左の様な籾の状態で保存し、必要となったときに籾摺り(籾を取り玄米にする)を行い、精米作業にて何時でも新米状態でお米を食べています。2層式洗濯機の様な籾摺り精米機があり、これに籾を入れておくと自動で白米にしてくれます。 生きた状態で籾を保存していますので、冷蔵保存等の必要はありません!いざとなれば種籾として次年度の種苗としていかせます!

 簡単に紹介しても米作りにはこの程度の文脈が必要となってしまいます。

折角苦労して作ったお米、エンドユーザーの喜びの顔が窺える!。いつでもお互いの顔が見える農業が出来れば、食の安全も守られるのでは・・

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